EC通販物流のアウトソーシング、物流倉庫、発送代行ならロジグロへ

越境ECとは?始め方からメリットや注意点を解説!成功のポイントや事例もご紹介

越境ECとは?始め方からメリットや注意点を解説!成功のポイントや事例もご紹介

近年、越境ECが大きな注目を集め、事業に参入するEC事業者も増加傾向にあります。
本記事では、これから越境EC事業を始めたいと考えているEC事業者さまへ向けて、始め方や注意点の解説に合わせて、成功ポイントや事例もご紹介します。ぜひ越境ECを始める時の参考にしてみてください。

越境ECとは

越境ECとは、多言語通貨対応している通販サイトなどを通じて行う国際的な取引のこと。基本的には、海外の方に向けて日本の商品を販売するビジネスを指します。

国際取引になるため、国内のやり方とは全く異なり越境ECはハードルが高くリスクがある事業イメージを持たれている方も少なくありません。しかし、今や越境ECは売上拡大に有効な手段のひとつとなっています。

越境ECの市場規模

越境ECの市場規模は、世界規模で年々広がりを見せています。経済産業省が、2022年8月に発表した『令和3年度電子商取引に関する市場調査』の報告書では、2026年には4兆8,200億ドルにまで拡大すると予測されています。このことからも、越境ECの将来性が予想できます。

越境EC市場規模の予測

画像:令和3年度電子商取引に関する市場調査をもとに作成

越境ECの市場規模が拡大している理由

スマートフォンの普及

越境ECの市場規模が拡大している大きな理由に、インターネットやスマートフォンの普及が関係しています。インターネットの普及により、世界中のユーザーが海外の商品情報を簡単に検索・閲覧できるようになりました。

さらにスマートフォンの普及により、いつでもどこでも気軽に商品を購入できるようになったことで、越境ECの市場拡大に影響を与えていると言えます。

インバウンドによるリピート購入

近年、海外から日本へのインバウンドが増加しています。日本で購入した商品を気に入り、自国に戻ってから越境ECを利用し日本製品を購入するといった「リピート購入」が増えています。また、お土産やネットなどで商品を知るなどを理由に、越境ECの利用につながる場合も多くあります。

このように、インバウント増加の影響が越境ECの市場拡大に影響を与えています。海外では、日本製品を入手できる手段として越境ECは需要が高く、これからの市場拡大に大きな期待が高まっています。

越境ECのメリット

ここまで越境ECの基本的な知識・市場規模について解説してきました。
ここからは、越境ECを始めることで得られるメリットについて詳しく解説していきます。

越境ECのメリットは主に以下の3つです。

  • ビジネス拡大が期待できる
  • 実店舗よりも販売運営のハードルが低い
  • 日本製品の強みを活かして集客できる

ビジネス拡大が期待できる

越境ECの最大のメリットは、日本にいながら海外の顧客を獲得できることです。これまで国内でしか販売できなかったのが、越境ECを行うことで、海外へも販路を拡大することが出来ます。顧客が増えるだけでなく日本製品のニーズが高い国をターゲットにすることで、さらなる売上拡大に繋がります。

実店舗よりも販売運営のハードルが低い

インターネットが普及する前は、海外進出をするには現地に店舗を構えるのが一般的でした。しかし、この方法は店舗費用やスタッフの確保など膨大なコストがかかります。越境ECならば大幅にコストを抑えることが可能なため、小規模の事業者様でも比較的容易に海外進出が実現できます。

日本製品の強み・需要が活かせる

国内のEC市場規模は増加傾向にあり、類似商品が多く価格競争も激化しているのが現状です。しかし、海外では日本製品の質が良いからと人気が高く「高価格でも買いたい」という方が数多くいます。こういった海外からの日本製品の需要の高さは越境ECを始めるうえで大きな強みとなります。

日本製品を海外に販売することで来日できない海外の方へ販売することができるため販路や売上拡大に繋がります。

越境ECを始める際の注意点

越境ECを始めるにあたり、注意点をしっかり把握しておくことでスムーズに進めることができます。

主な注意点は以下の3つです。

  • 輸送コストが高い
  • 販売国に合わせた対応が必要
  • 物流、配送、関税などの知識が必要

輸送コストが高い

越境ECの最大のデメリットが輸送コストの高さです。日本国内の配送とは違って船路や空路を利用して発送すことになるので、配送コストも割高になります。また、配送時間がかかるため、紛失や破損のリスクも高くなってしまう点もデメリットといえます。

販売国に合わせた対応が必要

越境ECは販売国に合わせた対応が必要となります。主に必要となってくるのが「言語」「法律・規制」「支払方法」の3つです。

言語

海外へ商品を販売するためには販売国に合わせた言語力が必要です。近年、無料の自動翻訳ツールやChatGPTといったAIを利用して簡単に翻訳することが出来るようになりました。しかし、翻訳に違和感が出てしまうこともありビジネスで利用するには完全とは言えません。違和感のある翻訳で対応してしまうとお客様からの信頼を落としてしまうため注意が必要です。

正確な翻訳を行うにはプロの代行業者などを利用するか、日本語が話せる海外スタッフを直接雇用する方法があります。海外スタッフを雇うことで人件費が発生するので一見デメリットに思えますが、問い合わせや現地対応が必要な場合に即戦力となってくれます。

決済方法

日本国内では、様々な決済手段が普及していますがそれは一部の先進国だけです。アジアなどの発展途上国ではクレジットカードの普及率が低く現金決済がメインの国も多くあります。対象国によっては代引きができるように決済方法を整えておく必要があります。

対象国にあった決済を準備しておかなければ、魅力的な商品を販売していても売上に繋げることは困難です。決済方法についてはしっかりと事前に調べておきましょう。

法律・規制

越境ECは、販売国や地域の法律や規制に対応する必要があります。商品によっては販売が禁止されていたり、届出が必要なケースも少なくありません。知識がないまま取引をしてしまうと大きなトラブルに繋がってしまうこともあります。国内とは違いルールが多くあるため販売国の法律や規制などは事前に調査を行うことが重要です。

物流・配送・関税などの知識が必要

越境ECでは、国際物流や配送、関税などの国際輸送に関する貿易知識や法律についての知識が必要不可欠です。例えば航空便や船便の手配、インボイスなどの書類作成、関税の算出など輸出するためには知っておかなければならない知識が多くあります。

越境ECは国際配送のため、国内配送と比べて割高で配達までに日数も多くかかります。配送料金や日数は販売国や配達業者により異なるため、越境ECを始める前にしっかりと調べておきましょう。

越境ECだけにかかわらず国を越えて商品を配送する際には必ず関税がかかります。関税は販売国や地域により異なるのはもちろん、販売する商品によっても異なります。関税は商品を購入するお客様が支払うものです。しっかりと金額を把握しておかなければトラブルの原因になるため注意が必要です。

越境ECの始め方

越境ECに取り組むことが決まったら「どんな商品」を「どの国」で「どう販売する」のか決める必要があります。ここからは越境ECを始めるにあたりターゲットの選定から出店方法まで詳しく解説していきます。

越境ECを始めるまでの大まかな手順は以下の通りです。

  1. 販売商品を決める
  2. 販売国を決める
  3. 出店方法を考える

それぞれ順番に解説していきます。

①販売商品を決める

まず始めに取り扱う商品を選定します。日本の商品は品質と安全面から海外に需要がありますが、すべての商品が売れるとは限りません。国によって人気のカテゴリーは異なり、中国では化粧品やトイレタリー、アメリカでは玩具やホビーといった商品が人気です。

②販売国を決める

販売する商品が決めれば、次は「どこでその商品を販売するか」を決めます。国によっては使用不可や輸入が禁止されている商品もあります。また禁止されていなくても事前に許可や申請が必要な商品もあります。対象国で販売できる商品かどうか確認しながら販売国を決めるようにしましょう。

規制や関税などについて調べる方法は、JETROのホームページから各地域別に合わせて詳細を確認することができます。

<参考リンク>

JETRO「輸出入に関する基本的な制度」
https://www.jetro.go.jp/world/trade.html
日本郵便「国際郵便として送れないもの」
https://www.post.japanpost.jp/int/use/restriction/index.html
日本郵便「万国郵便条約に基づく禁制品」
https://www.post.japanpost.jp/int/use/restriction/upc.html

③出店方法を考える

越境ECを出店する方法は、主にECモールへの出店と自社ECの構築の2種類があります。その中でも様々なプラットフォームがあるので、自社に合った方法を選択しましょう。

海外ECモールに出店する

1つめの方法は、海外のモールに出店することです。メリットは現地ユーザーからの高い知名度と信頼度です。例えば中国では淘宝網やタオバオや天猫、欧米ではebayが代表的な海外モールです。対象国で高いシェアを占めるモールを利用することで、商品をより多くの現地ユーザーに認知してもらえる機会が増えます。

しかし、出店するまでに販売国での法律や書類手続きなど必要な点がデメリットです。

越境EC対応の国内モールに出店する

2つめの方法は、越境ECに対応している国内モールに出店することです。海外のECモールに出店するよりも手続きが簡単です。また越境ECに関するトラブルや分からないことがあっても、サポートしてくれるサービスもあります。越境ECをこれからはじめる方にオススメの方法です。

越境EC対応の自社サイトを作成する

3つめは自社で越境ECに対応したサイトを作成することです。3つの中でいちばん難易度が高い方法です。自社でECサイトを作成するため、モールなどの契約料や手数料が発生しないためモールを利用するよりも利益を得やすいのが特徴です。

また、デザインやシステムなど自由に作り込めるため、自社のブランディングの構築を行うことが出来ます。しかし、時間やコストが最もかかる点がデメリットです。

越境ECを成功させるポイント

ここまで越境ECのメリットデメリットや始める手順について解説してきました。ここからは、それらを踏まえて越境ECを成功させるポイントについて解説します。

  • 集客施策をしっかり立てる
  • 配送料の見せ方を工夫する
  • 物流トラブルに対応できる体制を整える

①集客施策をしっかり立てる

越境ECを成功させるには、集客施策をしっかりと立てることが重要です。国内ECで行ってきた集客方法が越境ECでも同じように出来るとは限りません。越境ECの集客は対象国に適した方法を考えることが大切です。

SNSの活用

日本国内はもちろん海外でもSNSは効果的な集客方法のひとつです。SNSの投稿がきっけかで商品の知名度が上がり売り上げにつながったというケースは多く見られます。ただ、国によって浸透しているSNSの種類は異なるため現地でよく使われているSNSを調査しておくことが重要です。ターゲットとなる性別や年齢なども考慮しながら自社にあったプラットフォームを選びましょう。

中国ではGoogleなどの検索エンジンはもちろんfacabookやyoutubeなどのSNSは規制があり使用できません。そのため他の手段で集客を検討する必要があります。

インフルエンサーの活用

SNSの活用とあわせて検討したいのがインフルエンサーです。現地のユーザーに大きな影響を与えることができるインフルエンサーに商品を紹介してもらうことで、知名度と信頼度が向上します。コストはかかりますが、一からSNSをなどを活用し自社の商品をプロモーションするよりも高い販売促進効果が期待できます。

②配送料の見せ方を工夫する

日本国内の配送であれば600円くらいで配送ができます。しかし海外の場合、配送料は数千円から1万円近くかかることもあります。5000円の商品を買って配送料も5000円であれば、購入へのハードルが高くなります。商品代金に含めて送料無料にするなど、配送料の見せ方を工夫することが重要です。

③物流トラブルに対応できる体制を整える

関税による支払いトラブル

越境ECは、国をまたぐ取引になるため基本的に購入者に関税の支払い義務が発生します。しかし事前に知らせておかないとお客様に受取拒否をされることもあります。そうなると商品は現地処分または返送となれば往復の配送料がかかり損失となります。そういったトラブルを防ぐためにも、関税が発生する場合は前もって知らせしておくと安心です。

または関税を元払いできるFedExやDHL、日本郵便でもEMSではなくUGXを選ぶなど、あらかじめ対応方法を考えおきましょう。

商品破損によるキャンセル・返品

日本国内の配送であれば商品破損の確率は低いですが海外はそうではありません。商品の扱い方が雑なことも多く商品の破損はよくあります。その為、あらかじめ梱包など発送前の対策をしっかり整えておきましょう。また破損商品が届いてしまった際の対応策も考えておく必要があります。

配送業者には商品の破損に伴い保証を設けている業者もあります。業者によって補償内容が異なるため特徴を比較して自社に合う業者を選定しましょう。

配送遅延

越境ECは海外へ商品を届けるため発送までの日数が多くかかります。配送国や配送方法により変わりますがあらかじめ配送日数は調べておきましょう。もし配送遅延が起きてしまった場合、お客様へ迅速な対応ができるように現地の言語に対応できる受注担当者や代行業者が必要です。

越境ECの成功事例をご紹介

ここからは、ロジグロに物流委託されているお客様の越境EC成功事例をご紹介します。

株式会社世界へ

越境ECに強い物流業者をお探しならロジグロ。日本の職人さんが作る高品質な和包丁を販売。ロジグロの越境EC運営の取り組み

清助刃物は、日本の鍛冶職人が技術を駆使して作り上げた包丁を海外向けに販売しています。販路は自社ECサイトやアメリカAmazonのほか、インバウンドをターゲットにした国内実店舗も展開しています。ターゲットは北米やアジア圏など世界各地に拡がっており年間100ヵ国以上の国や地域へ発送しています。

注文量が増たことでマーケティング業務に集中することが出来ず、物流業務の負担を軽減するためにロジグロに物流業務を委託しました。物流業務から解放されたことで、コア業務に集中でき国内店舗を増やすことが出来るまでに成長しました。

ー これから越境ECを始めたいEC事業者さまへ、メッセージをお願いします

これから越境ECを検討・スタートされる方の中には、難しく考えている方もいると思います。もちろん越境ECはリスクがありますが、それは国によって違います。

ヨーロッパは通関手続きが難しかったり、日本から発送できない地域があるなどのリスクがありますが、アメリカだとEコマースが浸透していて日本から発送するハードルが低いので、まずはアメリカから挑戦してみて下さい。

アニバーサリーワールド

ロジグロの越境EC物流代行サービスの活用事例

ロジグロは物流業者ですが、2020年から越境EC運営にも取り組んでいます。現在はアメリカ、シンガポール、カナダ、オーストラリアのAmazon販売を行っており、わずか1年間で月商80万まで到達。今後はさらなる販路拡大も考えています。

まとめ:越境ECを始めるときは事前調査と準備が大切

本記事では、

  • 越境ECの基礎知識
  • 越境ECのメリット
  • 越境ECの注意点
  • 越境ECの始め方
  • 越境ECを成功させるポイント
  • 越境ECの成功事例

について解説しました。
越境ECを始めるには、販売国の事前調査が欠かせません。販売国によって法律や規制が異なり販売禁止や申請が必要が場合があります。越境ECは国とまたぐ取引のため、国内では必要なかった国際配送や関税などの多くの専門知識が必要です。また言語も販売国によって対応する必要があります。これまで運営してきた国内ECとは違い業務の負担も多くなります。

越境ECの物流業務は「ロジグロ」にお任せ

マーケティングなどのコア業務に集中するためにも、物流業務は物流のプロへ委託することをお勧めします。ロジグロは、物流業務だけではなくEC運営のノウハウがあり貿易コンサルティングにも対応しています。

物流業務を物流のプロに委託することで、ミスやトラブルが減るだけでなく、マーケティングなどのコア業務に集中することが出来ます。物流業務をプロに任せることは、越境ECを成功させる手段のひとつとして検討してみて下さい。

この記事の著者
エスグロー編集部
エスグローのブログ記事を制作している編集部です。15年以上のEC物流をサポートしてきた実績と豊富な知識をもとに、EC通販事業者様に役立つ情報をお届けしていきます。

CONTACT ご相談・お見積り・お問い合わせは
お気軽にご連絡ください。

「在庫管理で困っている」「委託先の品質が低い」など、
ざっくりとしたご相談でも大歓迎です。物流課題を明確にし最適なご提案を致します。